住宅ローンの基礎知識Ⅱ 金利の種類、諸費用

住宅ローンの基礎知識 住宅ローン金利の種類、諸費用

住宅ローンの基礎知識Ⅰ 住宅ローンで買える家、借りれる人借りれない人、金融機関選び方」に続き、ここでは住宅ローンのかかる金利の種類、諸費用について紹介します。

住宅ローンは金利のほか、申し込み手数料や抵当権の設定費用、火災保険・生命保険などいろいろな諸費用がかかり、金利含めこれらの諸費用を考えると、借りた金額以上に結構な返済をする必要があります。

住宅ローンの金利

住宅ローンの金利には、「変動金利」と「固定金利」があります。

変動金利

変動金利とは、借入期間中に適用される金利が半年に一度変動するものです。金利が上昇すると金利負担が増えるため返済額が多くなりますが、元利均等返済の住宅ローンには「5年ルール」、「125%ルール」というものがあり、毎月の返済額が急に増えない仕組みが用意されています。

5年ルール

適用金利、総返済額は半年毎に見直されますが、月々の返済額は5年間一定であり、5年内の金利変動は毎月の元金と利息で調整され、実際の返済額が変わるのは5年毎というものです。金利が上昇し利息が増えれば、その分元金の返済額を減らし返済額が一定に保たれます。

125%ルール

金利がどれだけ上昇しても5年毎の返済額の見直しでは、毎月の返済額は見直し前の返済額の1.25倍を超えないように調整されるというものです。

月々の返済が10万円であれば、どれだけ金利が上昇しても12万5千円までしか返済額は増えません。

ただしこれは、月々の返済額のうち利息の割合を増やすことで調整するもので、金利の上昇分だけ総返済額は増加します。

よって当初の約定期間内に支払いきれない元金が出てくる可能性があり、返済しきれなかった場合は、最終返済日に一括返済することになります。1.25倍を超えた分は返済しなくてよいということにはなりません。

なお、5年ルール、125%ルールは元利均等返済の住宅ローンにのみ適用されるもので、元金均等返済の住宅ローンには適用されません。

また、5年ルール、125%ルールを採用していない金融機関もありますので、元利均等返済の場合は事前に確認が必要です。

固定金利

固定金利とは、金利の変動が無く一定の金利が適用されるもので、「全期間固定金利型」と「固定(金利)期間選択型」があります。

全期間固定金利型は、融資を受けてから返済が終わるまでの間、適用される金利が変動することなく一定です。35年ローンの場合、35年間適用される金利が変わることはありません。

代表的な商品に「フラット35」があります。

なお、全期間固定金利型を契約した場合、その後変動金利や固定金利選択方式への変更は認められません。

固定金利期間選択型は、5年間や7年間、10年間といった金利を固定する期間を選択でき、期間経過後は変動金利にするか、固定金利を続けるといった選択ができるものです。金融機関によって選択できる年数は異なります。

固定金利期間は変動金利に近い金利の優遇が受けられますが、固定金利期間経過後は店頭金利が適用されます。その時の金利がどうなっているかはわかりませんが、金利が上がっていても対応ができるよう準備しておくことが重要になります。

ミックスプラン

1件の住宅ローンの契約で変動金利、固定金利を組み合わせることができるものです。

例えば1,000万円の借り入れに対し、500万円は変動金利、500万円は固定金利というように金利に対する予測やライフプランに合わせて、配分を自由に設定することができます。

組み合わせの比率は10万円単位で設定できます。

また中期固定金利と長期固定金利というように、固定金利どうしの組合せも可能です。 ただし、フラット35では利用できません。

変動金利と固定金利のメリット、デメリット

変動金利は固定金利より金利が低く設定されているので、低金利時代は金利の額が抑えられますが、金利の上昇局面では固定金利より金利が高くなり、返済額が増えます。

そのため金利の上昇時には、変動金利は固定金利より返済計画が立てにくいというデメリットがあります。

固定金利は、金利が一定ですので返済額が常に一定ですが、変動金利より利率が高いので低金利時代が長く続くと変動金利より支払総額が多くなります。

優遇金利

住宅ローンの金利には「店頭金利」と「実質金利」、「優遇金利」があります。

店頭金利とは各金融機関が自由に決める金利のことで、各金融機関の方針によって金利は変わります。

実質金利とは店頭金利から優遇金利を差し引いたものです。

優遇金利の分だけ店頭金利がマイナスされ金利の支払額が少なくなります。

すなわち店頭金利は「定価」、優遇金利は「値引き」、実質金利は「買い値」になります。

どの金融機関も優遇金利を導入していますが、適用条件や金利は金融機関により異なります。

よくある条件として、年収や勤務先の規模、信用情報、自己資金率、残借入の額などがありますが、他にも「給与の振込先や公共料金の引き落とし先を借入金融機関の普通預金口座にする「定期預金を作る」「借入金融機関のクレジットカードやネットバンキング口座を作る」などがあります。

なお優遇金利を交渉することも可能です。
他の金融機関でも住宅ローン金利を交渉している書類を見せるなどすればいいでしょう。

ただし、一度優遇金利の適用が決まった後にさらに金利を引き下げるのは、相当難易度の高い交渉になります。

また優遇金利の適用される期間の違いにより、「当初優遇」と「全期間優遇」があります。

当初優遇は、契約当初に決められた期間だけ金利が優遇され、全期間優遇は、住宅ローンの全借入期間にわたり金利が優遇されます。

注意が必要なのは、全期間優遇金利でも変わらないのは「優遇金利」であり、「実質金利」ではないということです。つまり、変動金利であれば、基準金利が変われば実質金利が変わり返済額も変わるということです。

全期間優遇金利だからといって、実際の金利計算に適用される実質金利が全期間同じ、すなわち固定金利となるわけではありません。

ローン諸費用

住宅ローンには金利の他、保証料、融資事務手数料、登記費用などの諸費用がかかります。

・融資事務手数料

住宅ローンを組む際にかかる金融機関に支払う手数料です。

「定率型」と「定額型」があり、内容は住宅ローンの保証を引き受ける会社に対する手数料です。
「定率型」は借入額に一定率を乗じて事務手数料が計算され、金融機関により率は異なりますが、2.2%(0.2%は消費税)としている金融機関が多いようです。

「定額型」は借入額にかかわらず、一定です。概ね3万3千円~6万6千円(税込み)に設定されているようですが、低率型に比べると借入金利が高くなる傾向があるようです。

低率型と定額型でどちらが有利かは借入期間などにより変わるため、シミュレーションする必要があります。

・保証料

保証会社に保証人となってもらうための費用です。
万が一返済が滞った場合は、保証会社に代位弁済してもらえます。

ただし、保証会社に代位弁済してもらっても債権者が保証会社に代わるだけで、返済義務はなくなりません。

保証料の支払い方法には、借入時に一括で支払う方法(外枠方式)場合と、毎月の返済額(金利)に組み込まれる方法(内枠方式)場合があります。

保証料の金額は、ローンの額と返済期間によって異なります。住宅金融支援機構のフラット35や一部のネット銀行などでは保証料を無料としているケースもありますが、多くの場合、その分融資事務手数料が高く設定されています。

なお、融資事務手数料と保証料はどちらかしか支払う必要がありません。

融資事務手数料型と保証料型のどちらにもメリット・デメリットがあり、自身に合った方法を選択すればいいですが、融資事務手数料型と保証料型のどちらかしか扱っていない金融機関もあります。

融資事務手数料は借入額に一定割合がかかり、保証料は借入期間が長くなるほど高くなりますので、一般的には融資事務手数料型が向いているのは、住宅ローンの額が少ない人で、保証料型が向いているのは借入期間が短い人です。

ただし、プランにより金利が異なりますので、借入時は金利を含め支払額をシミュレーションしてください。

・斡旋手数料

不動産会社に住宅ローン手続きをしてもらった場合にかかる手数料です。

ただし、ローン契約者が事務代行を依頼しない限り、必ず支払わなければならない費用ではありません。

仲介手数料は法律で上限額が決められていますが、ローン事務代行手数料に上限を決める法律はありません。そのため不動産会社の言い値で、数万円~数十万円と不動産会社によって幅があります。

・火災保険、地震保険

金融機関に支払う手数料ではありませんが、多くの住宅ローンでは火災保険、地震保険への加入が条件になっています。 保険料は保険会社、保証内容によって様々です。

・団体信用生命保険

住宅ローンの契約者に死亡や高度障害など万一のことがあった場合、団体信用生命保険会社が住宅ローンの残債を支払ってくれる制度です。死亡や高度障害などがあった後は、住宅ローンの返済は不要になります。

団体信用生命保険への加入を必須とする金融機関がほとんどですが、フラット35は団体信用生命保険への加入が任意です。

一般的な生命保険の場合、保険料を保険契約者が負担しますが、団体信用生命保険の契約者は銀行となりますので、ローン契約者の負担はありませんが、多くの場合実質的に住宅ローン金利に保険料が含まれます。

高度障害状態の基準
保障開始日以後の傷害または疾病により、次の1から8までのいずれかの高度障害状態になられたとき

1.両眼の視力を全く永久に失ったもの
2.言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの(注1)
3.中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの(注2)
4.胸腹部臓器に著しい傷害を残し、終身常に介護を要するもの(注2)
5.両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
6.両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
7.1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
8.1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

(注1) 「そしゃくの機能を全く永久に失ったもの」とは、流動食以外のものは摂取できない状態で、その回復の見込みのない場合をいいます。
(注2) 「常に介護を要するもの」とは、食物の摂取、排便・排尿・その後始末、及び衣服着脱・起居・歩行・入浴のいずれもが自分ではできず、常に他人の介護を要する状態をいいます。

債務弁済されない場合
次の1から9までのいずれかに当てはまる場合、残りの住宅ローンは弁済されません。

1.保障の開始日から1年以内に自殺されたとき
2.「申込書兼告知書」に記入日(告知日)現在および過去の健康状態などについて事実を告げなかったか、または事実と異なることを告げその団信加入者に係る団信契約(住宅金融支援機構と生命保険会社との保険契約をいいます。以下6から8までにおいて同じ。)が解除されたとき 3.故意により所定の高度障害状態になられたとき
4.保障の開始日前の傷害または疾病が原因で所定の高度障害状態になられたとき
(その傷害や疾病をご加入時に告知いただいた場合でも、債務弁済の対象とはなりません。)
5.戦争・その他の変乱により死亡または所定の高度障害状態になられたとき
6.詐欺・不法取得目的により団信加入者となったことにより、その団信加入者に係る団信契約が取消しまたは無効とされたとき
7.団信加入者について、保険金を詐取する目的で事故を招致した場合、暴力団関係者その他の反社会的勢力に該当すると認められた場合など、重大な事由があり、その団信加入者に係る団信契約が解除されたとき
8.団信加入者について、団信契約の存続を困難とする2、6又は7と同等の重大な事由があり、その団信加入者に係る団信契約が解除されたとき
9.団信加入者が、住宅ローンの金銭消費貸借契約に定める反社会的勢力の排除に関する条項に抵触し、債務の全部につき期限の利益を失ったとき

(参照:住宅金融支援機構

団体信用生命保険には基本の生命保険のほか、下記のようなさまざまな特約付きの保険があります。適用条件や保険料など詳細は金融機関に確認する必要があります。

・夫婦連生団信

夫婦の収入を合算して住宅ローンを契約する場合、一方が主債務者、もう一方が連帯債務者になる「連帯債務型」の住宅ローンで利用される団信です。夫婦二人で加入します。

夫婦連生団信を利用すると、どちらか一方が死亡または高度障害状態になったとき、住宅の持分や返済額等にかかわらず、住宅ローンの残債が団信から全額返済されローンの残債務は残りません。

ペアローン、連帯保証型との違い
ペアローンとは一つの同じ住宅に、夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約することを言います。それぞれが2つの別個のローン債務を負うとともに、互いに連帯保証人になります。
(フラット35はペアローンの扱いありません。)

ペアローンは別々の住宅ローン扱いになるので、団体信用生命保険も夫婦それぞれ加入する必要があります。

例えば旦那さんだけが団体生命信用保険に加入し、奥さんが加入せずに死亡もしくは高度障害などになった場合、奥さんのローンに関しては団体信用生命保険会社から保険がおりません。また旦那さんの加入している団体信用生命保険もおりません。旦那さんは奥さんのローンを支払う義務を持ちます。

よってペアローンの場合は、夫婦それぞれに団体信用生命保険に加入しておいた方が安心です。

連帯保証型は、夫婦のうちどちらか一人が債務者、もう一人が連帯保証人となり、債務者が住宅ローンを返済できなくなった場合、連帯保証人が代わりに返済義務を負います。

債務者は団体信用生命保険に加入できますが、連帯保証人は直接債務を負っていないため、団体信用生命保険に加入できません。

・3大疾病保障付き団信

特約なしの団信に加え、住宅ローンの債務者が、3大疾病(ガン、脳卒中、急性心筋梗塞)のいずれになった場合に保険金が支払われる特約付きの団信です。

・7大疾病保障付き団信

3大疾病保障付き団信に加え、4つの生活習慣病(病高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変)のいずれかになった場合に保険金が支払われる特約付きの団信です。

・8大疾病保障付き団信

3大疾病保障付き団信に加え、5つの生活習慣病(病高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)のいずれかになった場合に保険金が支払われる特約付きの団信です。

・11大疾病保障付き団信

8大疾病保障付き団信に加え、大動脈瘤および解離、上皮内新生物、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんのいずれかになった場合に保険金が支払われる特約付きの団信です。

・全疾病保障団信

全てのけが、病気(精神障がい等保障の対象とならない病気があります。)で就業不能になった場合、最長1年間月々の返済が保障され、その後も就業不能状態が続いた場合に保険金が支払われる特約付きの団信です。

・ワイド団信

団体信用生命保険加入前の健康に関する告知内容によって加入できない人が保険に加入できるよう、一般団信より条件が緩和された団信です。 金利は上乗せされますが、加入条件が緩和されているだけで、保障内容は一般団信と同じです。

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