シロアリ予防・対策期間・費用、自分で確認する方法、駆除料金、駆除業者の選び方・注意点

[本ページはプロモーションが含まれています]

住宅の大敵とされているシロアリですが、実際にどのような被害をもたらすのか、また、どのような対策があるのか、詳しく理解している方は少ないと思います。

新築時のシロアリ対策は必要ですが、その後のメンテナンスも非常に大切です。

ここでは、シロアリ被害とはどのようなものか、予防・対策の種類、費用、自分で確認する方法、駆除料金、駆除業者の選び方・注意点などについて紹介してきます。

住宅のシロアリ被害

シロアリは、木やセルロースなど植物繊維を餌としますが、住宅には木材が沢山使われ、セルロースは断熱材として活用されています。つまり住宅そのものが、シロアリの餌になりやすい素材で作られています。

そのため、新築時には必ずといっていいほどシロアリ対策が行われます。

シロアリは、昔は気温の低い地域にはあまり生息していませんでしたが、温暖化の影響で、現在は北海道の一部を除いてほぼ全国でシロアリ被害が発生しています。

シロアリが好む環境

シロアリは、高温で湿気が多く暗い環境を好みます。また、広々した場所より少し窮屈な隙間を好む性質もあります。暗くて狭い環境を好むのは、シロアリは皮膚が薄く、光に当たることで干からびて死んでしまうからです。

そのため、浴室や洗面所、台所に面したり、雨水が侵入した壁の内部、基礎まわりや風雨で濡れた外壁、断熱材の接点など、暗くて湿気の多い箇所に生息していることが多いです。

基礎まわりに生息するのは、土壌からの湿気もあり、暗くて断熱材もあるためです。

シロアリ対策が必要な理由

シロアリ対策が必要な理由は、シロアリが住宅の基礎や構造材を食べてしまうためです。

シロアリ被害に遭った住宅の壁の内部や基礎では、木材が食べ尽くされてほとんど無くなっていた例もあります。

住宅の耐久性はもちろん機能や耐震性を維持するためにも、シロアリ対策はしっかりと行う必要があります。

高性能で耐震性の高い家であっても、シロアリの被害を受ければ、その性能を担保できなくなります。

シロアリ対策の種類

国内で確認されているシロアリは約20種類といわれています。中でも主に住宅に被害をおよぼす種類は、「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の3つです。

・ヤマトシロアリ
北海道の一部を除く国内全域に生息。水分を含んだ湿気の多い場所を好みます。エサ場に巣を作る性質があります。

・イエシロアリ
国内の比較的暖かい地域に生息。水分を含んだ湿気の多い場所を好みます。巣はエサ場から離れたところにつくります。

・アメリカカンザイシロアリ
外来種のシロアリです。乾いた場所でも生息できる性質があり、湿気のない木材でもエサにしてしまいます。そのため、屋根裏など比較的乾燥している場所でも巣をつくります。

ヤマトシロアリ、イエシロアリは湿気を好むことから建物の低い場所にシロアリ対策をすると効果的ですが、アメリカカンザイシロアリは建物の高い場所でも生息しますので、屋根裏などのシロアリ対策も必要です。

生息しやすい場所が異なるため、一つの住宅に種類の異なるシロアリが巣を作る可能性もあります。

薬剤による対策

薬剤は、最も一般的なシロアリ対策です。主に、床下の木材などに薬剤を散布します。

新築住宅であれば、土台に使う木材や外まわりの柱の下側にあらかじめ薬剤が注入された材料を使用します。事前に、住宅会社に薬剤を散布した木材の使用を依頼しておきます。

なお薬剤は、自然環境では拡散・蒸発していきますので効果を持続させるためには、少なくとも5年内の定期的な散布が必要です。

木材の対策

殺菌作用の強い木材を住宅に使うことによるシロアリ対策です。

シロアリは木材を餌にしますが、ヒバやローズウッドなど殺菌作用の強い木材は嫌います。

ヒバほどではありませんが、ヒノキやケヤキも効果が期待できます。

反対にマツやホワイトウッドはシロアリが好む木材です。

ホワイトウッドは集成材として住宅でもよく使われる木材ですから、土台に使う場合は薬剤注入が必要です。

基礎まわりの対策

住宅の基礎部分の断熱方法には、「床断熱」と「基礎断熱」の2種類あります。

床断熱は、床の裏面に断熱材を貼り付け、床下からの冷気を遮断します。

床断熱は、床下に換気口を設け、床下(基礎まわり)が高温になること、湿気が溜まることを防ぎますので、床断熱は高温多湿を好むシロアリ対策となります。

ただし、換気口があっても家の立地により、床下の風通りが悪い場合は、床断熱であってもシロアリが発生しますので、シロアリ対策が必要になります。

一方、基礎断熱は、床下も室内の一つとして考え、基礎部分全体を断熱材で覆い、床下からの換気をなくし、床下空間を密閉し、床下から屋外の熱を伝わりにくくすることで断熱します。

しかし、基礎部分全体を断熱材で覆い床下空間を密閉し暖かくすることは、シロアリの天敵の黒アリも入ってきづらくするため、基礎断熱の床下にはシロアリが生息する条件が揃い、シロアリ被害を受けやすいとされています。

そのため基礎断熱の場合、基礎コンクリートまわりを防蟻断熱材で覆うことで、土壌からのシロアリ侵入を防ぎます。床下の湿気は、室内と床下が換気できる室内側の換気口を設けることで湿気が溜まるのを防ぎます。

基礎断熱には主に、断熱材を基礎の外側に張る「基礎外断熱」と断熱材を基礎の内側に張る「基礎内断熱」の2種類があります。

基礎外断熱、基礎内断熱いずれにもメリット、デメリットがありますが、基礎外断熱では断熱材を基礎の外から被せますので、断熱効果は内断熱より外断熱の方が高くなります。

しかし、基礎外断熱は断熱材の下の地中部分からシロアリが入り込み、基礎外断熱の内側の建物の壁との間に蟻道を作る可能性があり、その場合、外部から蟻道が見えず、外から点検しても蟻道が発見できません。

そのため断熱効果としては基礎外断熱には劣りますが、基礎内断熱では外からの点検が可能ですので、防蟻対策を重視する場合は基礎内部断熱を採用することが多いです。さらに断熱効果と防蟻効果の両方を満たすために基礎外断熱と基礎内断熱の両方を施す方法もあります。。

なお、防蟻断熱材を採用しても、基礎以外の箇所にシロアリの好む環境がある場合は、シロアリが発生する可能性があります。

床断熱か基礎断熱か自分で確認できる?

床断熱か基礎断熱かを確認する最も一般的な方法は、床下の換気口の有無を確認することです。

床断熱は床下に風窓(換気口)を設けるため、床下に換気口がある場合は床断熱、風窓がない場合は基本的に基礎断熱と判断できます。

しかし、基礎断熱でも換気口をつけることあります。床上浸水した家などは床下がプールになってしまうこともあるためです。

また、床断熱でも基礎パッキン工法の場合は、風窓がありません。

基礎パッキンに詳しくない人が基礎パッキンを自分で確認することは難しいです。

なお基礎断熱の外断熱の場合、基礎を叩くと弾力がありますので、ある程度判断が付けやすいですが、強くたたくと傷をつけてしまいます。

よって、床断熱か基礎断熱を確認するには、家の施工店に確認することがおすすめです。

シロアリ対策後の注意点

シロアリがいつ侵入するかを予測することは難しいものです。そのため、シロアリ対策は止めることなく継続することが大切です。

薬剤は定期的なメンテンスが必須

薬剤によるシロアリ対策は、薬剤の持続期間が一般的に最長5年ですので、少なくとも5年ごとの薬剤散布が必要になります。

特に新築住宅の場合、建てたときの対策で安心してしまい、その後の対策を一切やらずに、気付いたときにはシロアリに土台を食い尽くされていたというケースが少なくありません。

防蟻効果の木材も油断できない

土台にヒバなどシロアリが嫌う木材を使っている場合、基本的に防蟻効果は持続します。しかし、ヒバを使っていても湿気など他の要因により、シロアリが侵入してしまう可能性があります。

シロアリを自分で確認する方法、チェック項目

敷地内で羽アリを見つけたときは、シロアリの生息を疑うサインです。特に春から夏の時期はシロアリが巣から飛び出すことがあり、発見しやすくなります。

その他、次のようなことを発見したときはシロアリの存在を疑ってください。

・雨漏りなどで壁内部が濡れた
・基礎のコンクリートに何かの通り道のような線がある
・壁や柱を叩くと空洞のような乾いた音がする
・庭に雨ざらしの木材がある
・床をあるくとフカフカした感触がある
・床下から強い湿気を感じる、またはカビ臭い
・シロアリの薬剤散布から5年以上経過している
・基礎断熱工法の家である

紹介した事例が無くてもシロアリが巣を作っている場合があります。セルフチェックだけでは、充分に確認できないことも多いので、湿気の多い地域に住まれている場合はできるだけ定期的なシロアリ点検を受けることをお勧めします。

シロアリ対策・予防費用、駆除業者の選び方・注意点

シロアリ駆除の費用相場

一般的にシロアリ駆除の費用相場は、1㎡あたり約3,000円です。地域の中小業者であれば、2,000円代から対応してくれるところもあります。

駆除業者の選び方と注意点

シロアリ駆除は、「しろあり防除施工士」の資格者が在籍するところに依頼することをお勧めします。

シロアリ駆除を行うのに資格は必要ありませんが、効果のある駆除をしてくれるか、相場より高額の費用を請求されないかなど、シロアリ駆除業者の善し悪しの判断は難しいものです。

「しろあり防除施工士」は、公益社団法人日本しろあり対策協会が定める資格で、しろあり防除施工に必要な知識と経験を有し、防除施工標準仕様書に沿って安全かつ確実な施工を行います。さらに、協会の会員には定期的に講習会に参加することが義務付けられ、知識の確認とともに、シロアリ防除に関する最新の情報を学んでいます。

そのため、施工方法の適切さや安全性が高いことが特長です。

また、過去の施工例を開示してくれる業者や、施工後の保証やメンテナンスがしっかりしている業者が安心です。

費用の安さだけで選ぶことがないように注意してください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする